病気やケガで仕事に行けない時、退職しか選択肢は無いんでしょうか?

病院の診断書があれば会社の就業規則にもよりますが、休職することができます。

休職して、1,2か月静養してみて治ってきたら、再度仕事を頑張ってみるっていうこともできます。

では、その休職中の給料は出るんでしょうか。

休職するためには、病院の診断書が必要

会社で休職の手続きをするためには、病院の診断書が必要です。

この病気には、うつ病などの精神疾患も含まれます。

病院の医者から、しばらく休んで休養が必要という診断書を取得できれば、休職はできます。

ただ、休職できるかどうか、休職の期間、休職中の給与の有無などは会社によって異なりますので、
休職を検討される方は、一度会社の人事担当者に相談してください。

休職中は傷病手当の申請を

さて、休職期間中の給料ですが、給料が支給される会社は良いですが、休職期間は無給としている会社もあります。
そのような時、お金の心配をしながら休んでも治るものも治りませんよね。

そこで、受け取れるのが傷病手当金です。

この傷病手当金は、最初に休んだ日から4日以上継続して休んでいることが条件になりますが、申請することにより
受け取ることができます。

傷病手当金の受給要件

傷病手当金は、次の条件すべてに当てはまった人が受け取ることができます。

1.業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること

2.仕事に就くことができないこと

3.連続する3日を含み4日以上仕事ができないこと

4.休業した期間について、給与の支払いが無いこと

業務外の事由による病気やケガの療養の為の休業

傷病手当金の受給要件の1つに業務外の事由による病気やケガの療養の為の休業があります。

これは、例えばプライベートで交通事故に遭って入院もしくは在宅での治療が必要な時。
あるいは、もともとの持病が悪化し、入院もしくは在宅での治療が必要で、仕事できない時が当てはまります。

つまり、業務中の事故による疾病やケガは、労災保険という別の保険が適用になり、傷病手当金は支給されません。

うつ病などは、会社の仕事が原因でストレスが溜まり、鬱になった。という場合もあるかもしれませんが、
ここは、客観的に会社が原因であるという証拠が示されなければ労災保険の申請は難しいと言えるでしょう。

そのため、傷病手当金の申請が可能です。

仕事に就くことができないこと

傷病手当金は、仕事に就くことができないことも条件の一つです。

傷病手当金は療養に必要な休暇中に出される保険ですので、その間に仕事が可能であれば、支給されません。

今いる会社ではない別の会社でのバイトや副業なども、仕事ができると判断される可能性があります。

連続する3日間を含み4日以上仕事ができないこと

傷病手当金はさらに、4日以上の連続休暇が必要になります。

例えば、2日休んで1日出勤し、また3日休んだ、等という場合には、その3日を過ぎた後の休暇から支給対象になります。

この休暇期間に、有給で休んでしまうと給与が発生してしまうことになるため、有給は使えません。

休業した期間について、給与の支払いが無いこと

休業した期間中、会社から給与の支払いが無いことも条件になっています。

例えば3月に仕事をし、4月休職した。だが、3月分の給与が4月に振り込まれる。
このパターンは4月分の給与が5月に発生しないのであれば、セーフになります。

この条件があるため、先ほども触れましたが、有給を取得すると、引っ掛かることになります。

傷病手当金は申請しないともらえない

傷病手当金は、4条件さえクリアえしてしまえば、自動的に支給されるものではありません。

申請が必要です。

申請先は、ご自身が加入している健康保険の保険証発行元(全国健康保険協会や各社保険組合など)になります。

傷病手当金の申請には、医師の証明が必要

傷病手当金を申請する際は、医師の証明が必要になります。

これは、診断書を要求するところもあるかもしれませんが、一般的には各保険組合が発行している「傷病手当金申請書」に
医者の記入欄があり、そこに記入してもらうことで証明してもらうことになります。

ですので、ご自身の判断でこの状態は休まないと治らない、と判断し会社を休んでも、傷病手当金は申請できません

傷病手当金はどの程度貰えるのか

実際に受け取れる傷病手当金の支給額は、これまでのお給料のおよそ2/3です。

また受給できる期間は、最長で1年6ヶ月です。

傷病手当金は申請からどの程度で振り込まれるか。

傷病手当金は、申請書を保険組合に送ってから、保険組合での審査がありますので、おおむね2週間から
1ヶ月程度かかる場合があります。

2回目以降の申請は、事務手続きだけで済むので、申請から1,2週間程度で振り込まれるでしょう。

傷病手当金は個人事業主は受け取れない

傷病手当金は、すでに説明の通り、ご自身が加入している健康保険の保険組合に申請し、受け取ることになります。

では、個人事業主は国民健康保険に加入している方が多いと思いますが、どこに申請するのか。

残念ながら国民健康保険にこの「傷病手当金」の制度は無く、傷病手当金を受け取ることができません。

補足:コロナによる自宅待機期間は傷病手当金申請可能か

昨今蔓延している新型コロナウイルスですが、もしコロナウイルスに罹ってしまい、
会社を休まなくてはいけなくなった場合、この傷病手当金は受け取ることができるのでしょうか。

結論から言うと、傷病手当金を貰える可能性が高いです。

では、医療機関ひっ迫などにより医療機関にかからずに自宅療養していた場合はどうなるのか。
この場合の判断は、各保険組合の判断になるため、事前に保険組合へ事情を説明したうえで、ご相談ください。

ただし、濃厚接触者と認定され会社を休んだ期間については、傷病手当金の対象にはなりません。

まとめ

傷病手当金を貰うためには、医師の証明と合わせて保険組合への申請が必要です。
また、自営業者や個人事業主は傷病手当金は受け取れません。
コロナに罹った場合は、受け取れますが、濃厚接触者は受け取れません。

傷病手当金を受け取るための条件は、次の4つです。
1.業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
2.仕事に就くことができないこと
3.連続する3日を含み4日以上仕事ができないこと
4.休業した期間について、給与の支払いが無いこと